食中毒について

公開日時:2024.07.01カテゴリー:しらかわ通信

5月と6月は、日本の多くの地域で気温が上昇し、湿度も高くなるため、食品が腐りやすく、微生物が増殖しやすい環境が形成されます。これらの理由から、5月と6月は食中毒が多発する高リスク期間となり、この時期は食材の取扱いに気を付ける必要があります。

食中毒を未然に防ぐためにはどのようなことに注意すべきかを、今回は当院管理栄養士の竹下さんに聞いてみました。

この時期、特に取扱いに注意した方が良い食品は何ですか?

食品全般的に気を付けて欲しいのですが、強いて挙げるとすれば、おにぎりでしょうか。おにぎりは温かいご飯を握ります。すぐに食べる場合は問題ないのですが、時間をおいて食べる場合、徐々に温度が下がっていきます。熱々の時は菌が増えないのですが、じわじわ下がっていく温度帯は細菌が最も繁殖しやすいといわれています。
特に、素手で握ると手に付着している菌が増殖するので要注意です。


当院の給食を作るにあたり食中毒対策として特に気を付けていることはありますか?

食中毒が起きる原因として、時間栄養温度があります。
食事には栄養がありますので、「時間」と「温度」に注意しています。
時間」は、食事が出来上がってから2時間以内に食べていただけるように逆算して調理しています。
温度」は、温冷配膳車を使用することで温かいものは65℃以上、冷たいものは5℃以下を維持できるようになっています。適切な温度を維持できると、菌が繁殖しないだけでなく、おいしく食べていただけるのも嬉しいですね。


私事での質問になりますが、子供にお弁当を作る際、気を付けることはありますか?また、この時期入れない方が良い食材はありますか?

お弁当は作ってから食べるまでに時間が空きますので、細心の注意が必要です。
先にお伝えしたうちの「時間」「栄養」はクリアできないので、「温度」に注意してください。
作ってすぐ蓋をしめるとお弁当箱の中の温度が生温かい状態が続き、菌が繁殖しやすくなります。
一旦冷蔵庫などで温度を下げてから蓋をするようにしましょう。
また、保冷バックや保冷剤、できれば冷蔵庫で保管するなど、温度管理に気を付けてください。
もちろん、手洗いをして清潔な状態でお弁当を作ってくださいね。


お弁当に「梅干し」や「レモン」などを入れておくと食中毒になりにくいと聞きますが…他にどのような予防策がありますか?

梅干しなどは酸の影響で細菌が増えにくくなります。
他には、辛み成分もよいといわれています。わさびの成分が入ったお弁当シートなどもありますよね。
ただ、これらは最近の増殖を抑えるもの。お弁当の温度が高かったらレモン自体が腐ってしまいますので注意してくださいね。

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