気を付けよう食中毒!
梅雨で湿度が高くなり、気温も高くなっているのを肌で感じます。食中毒に注意が必要な季節がやってきましたね。
食中毒とは、『食中毒細菌やウィルス、有害・有毒な物質などが含まれた食品などを食べて起こる人の健康被害』といい、一般に、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、発疹などの症状を起こします。恐ろしい食中毒ですが、食中毒を引き起こす原因や対処法を知っていれば、安全に楽しく食事を楽しむことが出来ます。今回は、病院の厨房で調理をされている百武さんに食中毒についていろんなことを教えていただきたいと思います。
厨房責任者:百武 祥子さん
調理歴:43年
好きなTV番組:あてなよる(BS)
美の壺(BS)





細菌とウイルスはどう違うんですか?


・細胞を持つ
・栄養を摂取し、そこからエネルギーを
生産している
・細胞分裂を繰り返すことによって生存、
増殖も行っている
・ウィルスより大きい
・細胞は生き物!

・細胞がない
・栄養を摂取したり、エネルギーを生産
したりしない
・自力で動くことはできない
・ウィルス単体は自力で増殖できない
・ウィルスは物質!
(生き物とは言い切れない)
(細菌とウィルスの違いは?メディカルノート より)
なるほど!こんなにも違いがあるなんてしらなかった!
そもそも、食中毒はどうやって起こるんですか?


原材料や、食品に食中毒細菌が付着し、菌が増え、それを食べることで食中毒が発生します。食中毒を起こす原因菌によって様々ですが、通常20分で分裂・増殖します。1→2→4→8→16→32・・・このように倍々で増えていきます。
食中毒予防の三原則
①菌を付けない
原材料の清潔 ・運搬容器(段ボールなど)から出して保管する |
調理場の清潔 ・食品保管場所や調理場の整理、整頓、清掃 |
器具の清潔 ・衛生的に保管 |
調理者の清潔 ・手指消毒は食品衛生の基本! |
②菌を増やさない
・食材や調理済みの食品を室温で長時間放置しない。(細菌の発育に適した温度は20~50℃)
・適切な温度【冷蔵:10℃以下 冷凍:-20℃以下】にて保管する。
・調理終了後、出来るだけ早く食事する。(調理後2時間以内に食事を済ますのが望ましい)
③菌をやっつける
十分な加熱(食品の中心温度が75℃ 1分以上、ノロウイルスの場合85~90℃で90秒以上)

とくに、『①菌を付けない』は感染経路を遮断するので最も重要です!
正しく調理し、おいしく楽しくいただきましょう♪
細菌やウイルスの消毒の方法を教えてください!


細菌もウィルスも徹底した手指消毒が一番大切ですが、三原則を全て守ることが出来れば食中毒を防ぐことはできます。
例えば…
ノロウイルスはアルコールが効かないので、調理器具などは次亜塩素酸ナトリウム液(市販のもので言えばキッチンハイター など)で消毒をします。栄養課のスタッフは、ノロウイルスに汚染されている可能性が高い牡蠣を食べないようにするなど、日ごろから配慮をしています。
また、手荒れや傷を作らないようにケアをしたり、生肉は避けしっかりと火が通った食品を食べる等、自らが食中毒の原因とならないよう体調には十分に気を付けています。
今後も安心・安全でおいしい食事が提供できるよう頑張ります!
栄養課の皆さんは日ごろから、いろんなことに配慮をして、食事を提供して下さっているんですね!
私も、自分の調理方法について見直そうと思いました!


今までの話を踏まえ、主な食中毒病因物質とその予防ポイントをご紹介しますね♪ぜひ参考にしてください。
ノロウイルス |
・汚染された二枚貝 |
・二枚貝は加熱殺菌 |
---|---|---|
カンピロバクター |
・食肉(特に鶏肉) |
・十分加熱処理(75℃で1分以上) |
サルモネラ |
・食肉(特に鶏肉) |
・十分加熱処理(75℃で1分以上) |
腸炎ビブリオ |
・魚介類:生食 |
・食肉や卵は室温放置せず、10℃(できれば4℃)以下の低温管理 |
O157 |
・レバーなどの内臓肉 |
・手洗い、消毒を徹底 |
黄色ブドウ球菌 |
・調理者の手指 |
・手指に傷がある場合は調理しない。もし調理をする場合はゴム手袋使用 |
ウェルシュ菌 |
・大量調理食品 |
・調理したものは出来るだけ早く食べる |
いかがでしたか?
今回教わった食中毒予防の三原則や、感染源となる食材に合わせた予防法を行うことの大切さを学びました。
家庭で出来る食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省 より)もぜひご参照ください!
https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/point.pdf
皆さんも、食中毒を起こさないよう気を付けてお食事を楽しんでくださいね♪それではまた次回をお楽しみに!