動脈硬化を予防しよう:第2回目

公開日時:2022.04.27カテゴリー:しらかわ通信

第2回目 動脈硬化の程度が分かる検査と予防法について

皆さんこんにちは!前回に引き続き、【動脈硬化】についてご紹介していきます。
まずは前回のおさらいから!

  • 中性脂肪 エネルギー…(カロリー)を効率よく蓄える
  • LDLコレステロール…肝臓で作られたコレステロールを末梢組織に運ぶ働きする
    LDLコレステロールが酸化されると末梢血管で粥腫(プラーク)を作る →動脈硬化が進む
  • HDLコレステロール…末梢組織のコレステロールを肝臓へ回収する働きをする
  • 血管が狭くなっても血流があればほとんど症状はなく、血管が詰まって初めて症状が出る    

吉岡 律子先生
 【専門】
 ・内科
 ・消化器内科
  内視鏡検査も行っています!
  (担当は月曜と金曜日です)

動脈硬化の程度が分かる検査はあるの?

採血上の数値はあくまで動脈硬化のリスクを見ているだけで、今現在どれだけの動脈硬化があるのか分かりません。動脈硬化の有無や程度が分かる方法は以下の2つがあります。

1. 頸動脈調音波
動脈は通常身体の奥の方にあります。通常のCTや超音波などでも見えますが、CTは画像が小さく、通常の超音波は周波数が低いものを用いるため、ある程度動脈硬化が進まないと変化が分かりません。超音波の特性として、周波数の高い超音波は距離分解能(解像力)が高いのですが遠くまで届かない(せいぜい4㎝)為、体の表面近くにある物しか見えず、深い位置にある動脈は周波数の低い超音波で観察することになるのです。
頸動脈は唯一体の表面近くを走行している動脈なので、周波数の高い超音波で観察することが出来、粥腫の有無の観察が可能です
※下の画像の赤い線は1.0cmです

2. 血圧脈波
血圧や脈波を用いて血管の硬さや詰まり具合を推定する検査です。血管が硬くなり弾力性が低下すると脈波の速度は速くなります。

動脈硬化を予防する方法は?

1. 食事
コレステロールの多い食事を摂りすぎない、LDLコレステロールを減らす作用のある不飽和脂肪酸(鯖、サンマ、ブリなど)や繊維物を多くとるなどの工夫が必要です。また、動脈硬化の元となるのは酸化コレステロールなので、コレステロールを酸化させないためにビタミンC(パプリカ、ブロッコリー、かぼちゃなど)やE(ほうれん草、豆乳、卵黄など)などの抗酸化物質を一緒に摂ると効果的です。

2. 喫煙を控える
喫煙はHDLコレステロールを減らします。喫煙を減らす、もしくは禁煙が好ましいです。

3. 運動
運動をするとHDLコレステロールが増加します。定期的に運動を生活の中にとり入れることをお勧めします。

コレステロールは低ければ低いほどいいの?

コレステロールは細胞の構成成分であったり、胆汁酸の原料となったり、体にとって必要なものなので低ければ低いほど良いと言うものではありません。総コレステロールが120㎎/dL以下になると血管が脆くなり脳出血を起こしやすくなると言われています。
また、動脈硬化を防ぐと言われているHDLコレステロールも100㎎/dLを超えるとかえって動脈硬化を促進することもあります。
何事も、やり過ぎは良くないものですね。


いかがでしたか?
健康診断の結果がお手元に届いた時にコレステロールの数値を確認してみてください。何か所見がある場合、生活習慣を改善してみたり検査を受けてみる事で、もしもの時を引き起こさずに済みます。
日本生活習慣病予防協会によると「日本人のおよそ5人に1人は動脈硬化による心臓や脳の病気で亡くなる」(『平成29年(2017)人口動態系統(確定数)の概況(厚生労働省)』より算出)というような時代です。しっかり自分の身体を大切にしていきたいと、今回のお話を聞いて改めて思いました。私の場合、まずは食生活から見直してみたいと思います!
それでは皆様、また次回をお楽しみに♪

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