エックス線について
体が痛かったり、歯が痛かったり、ケガをしたり、、、、なにかしらの不調を感じて病院へ行くと、その原因を調べるために体の内側を検査してこのような画像(写真)を医師から見せてもらうことがあると思います。
これらの画像(写真)の事をみなさんは何と呼んでいますか??
私は『レントゲン写真』とよんでいたのですが、なんと本当の呼び方は『エックス線写真』というそうです!
今回は、診療放射線技師の宮本さんに、レントゲン写真とエックス線写真の違いや、エックス線について教えて頂いたので、皆さんに紹介していきたいと思います。
どうぞお楽しみに!
エックス線写真? レントゲン写真?
実は、レントゲンという言葉はエックス線を発見した【レントゲン博士】という人物の名前なんです!このレントゲン博士は、1895年に自身が行っていた実験の中で偶然エックス線を発見し、1901年に第1回ノーベル物理学賞を受賞しています。
そのため、正式名称はエックス線写真ですが、エックス線を発見したレントゲン博士にちなんでレントゲンという言葉が普及したために、正式名称よりレントゲンという言葉が身近な言葉として広く知られているそうです。
エックス線が発見されて、まだ120年ほどしか経っていないなんて驚きです!しかしこのエックス線のおかげで目に見えない体の内部の状態がわかるようになり、医学は大きく進歩したんですね!
エックス線ってなに?
エックス線は電磁波の一種で、電離放射線に属します。
エネルギーが大きく、金属や骨など密度が高い物質は透過せず、紙や皮膚など密度が低い物質は透過する性質があります。
医療分野では、エックス線検査やCT検査に使用されていますが、他の分野では飛行機の搭乗時に行う手荷物検査や考古学の分野でもミイラの発掘時に使用されたりしています。
被ばくについて
放射線にさらされることを『被ばく』と言います。みなさんは、どんなときに被ばくをしていると思いますか?
実は、放射線は宇宙から降ってきたり、食べ物や岩、光など自然界のいたるところに存在しているんです!つまり私たちは、生まれた時から少量ですが放射線を浴びているということになります。このように自然界に存在する放射線を自然放射線、原発事故や病院での検査に用いられる人工的に作られた放射線(エックス線など)を人工放射線といいます。自然放射線も人工放射線も放射線の種類や性質に変わりはなく、人体への影響も変わりません。
普通に生活している人の年間の被ばく量
病的な症状が出る被ばく量
- 白血球が減る
→500mSV以上 - 自覚症状がでる(脱毛、不妊など)
→1000mSV以上
※だいたいの目安です
土地の高低差などで、住む地域によっては被ばくする量は変わります。
また、病的な症状を起こす被ばく量と比べてると、一回当たりのエックス線検査の被ばく量はごく少量だということが分かります。
エックス線検査を受ける皆さんへ
いかがでしたか?
エックス線(放射線)は取扱いにとても注意が必要な物質なので、私たち診療放射線技師は、エックス線検査を受けていただく皆さまの身体への負担をできる限り少なくするため、細心の注意を払っています。
・撮影部位
・検査対象者の体格
・どこがどのように痛むのか
などを考慮し、最適な条件に合わせて検査を行っています。
エックス線検査に関して『分からない事・不安な事・心配な事』がおありでしたら、どんどん私たちに聞いてください!
みなさんが安心して検査を受けていただけるようお答えいたします!
そして、病気は知らないうちに進行していくことがあるので、定期的に健康診断を受けたり、どこか不調を感じたら、早期に検査をされることをお勧めします!
『はい!撮影しますよ~息止めて~(ぴっ!)』
このようにエックス線検査自体は数秒で終わりますが、その数秒には診療放射線技師さんの知識と検査を受ける方への配慮がたくさん詰まっている事を知りました!宮本さんありがとうございました!